アメリカでドローンを飛ばす際は、米国連邦航空局( Federal Aviation Administration 以下FAA)の規制に従う必要があります。
商業目的か趣味かによってルールが異なり、登録や許可が必要です。また、空港や国立公園などの特定エリアでは飛行が禁止されています。
本記事では、アメリカにおけるレクリエーション目的でドローンを安全かつ合法に飛ばすための方法と、禁止されているルールについて詳しく紹介します。
目次
1. ドローン登録をオンラインで完了できる条件
2. アメリカでドローンを飛ばすための手続き
3. アメリカで禁止されているドローン飛行
①営利目的の飛行
②地上から約120m以上の飛行
③視界から外れた飛行
④有人機の邪魔になる飛行
⑤天候不良や障害物が多い中での飛行
⑥空港周辺で空域許可を取得せずに飛行
⑦違法なドローン飛行は罰金
まとめ:アメリカの法律を理解してドローンを飛ばそう
1. ドローン登録をオンラインで完了できる条件
アメリカでは、以下の条件を満たした場合に、日本からオンラインで手続きが可能です。
・所有者が13歳以上(13歳未満の場合は13歳以上の人が行う)
・ドローンの重量が55ポンド(約25kg)以下
なお、外国人はアメリカの航空機登録証明書ではなく、所有権の承認という扱いになります。
参照:https://www.faa.gov/uas/getting_started/register_drone
2. アメリカでドローンを飛ばすための手続き
アメリカでドローンを飛ばすためには、米国連邦航空局(FAA)の公式サイトから手続きを行う必要があります。
登録には以下の情報が必要です。
・ドローンのメーカーやモデル情報
・アメリカの滞在先の住所
・日本の住所
・電話番号
・クレジットカードまたはデビットカード
FAAの公式サイトであるFAA Dronezoneにログインし、持参するドローンの情報と個人情報を入力します。その際、登録料として$5支払うため、クレジットカードを用意しましょう。
最後に、FAAがドローン操縦者の知識や安全性を図るためのテスト「The Recreational UAS Safety Test(以下TRUST)」を受講します。
TRUSTは、アメリカ国内でドローン飛行を行うすべての人を対象としているテストで、外国人も含まれます。
受講後は修了証書が発行され、FAAから公式にドローン飛行の認可が下ります。
参考:https://note.com/kawacha_drone/n/nb519b715ec63
:https://www.faa.gov/uas/getting_started/register_drone
3. アメリカで禁止されているドローン飛行
続いて、アメリカで違反となるドローン飛行について解説します。
日本と共通する部分がありますが、国が違えば法律も変わるため、以下のポイントを押さえておきましょう。
参考:https://trust.modelaircraft.org/group/4
※この見出し以下は上記のサイトから登録し、実際にテストを受け、テスト内の解説を基に執筆しました。
①営利目的の飛行
レクリエーション目的でドローン飛行を行う場合、報酬が発生するビジネスの一環としての利用は禁止されています。
たとえば、不動産業者による物件販売の撮影はできません。
営利目的ではなく、純粋にドローン飛行を楽しむことにフォーカスしましょう。
②地上から約120m以上の飛行
趣味でドローンを飛ばす際は、地上から約120m(400フィート)以下の飛行が義務付けられています。
FAAから特別に許可されていない限り、例外はありません。
また、FAAが管理する管制空域では、UAS 施設マップ(UASFM)に基づく高度以上の飛行ができません。
③視界から外れた飛行
ドローンは、直接見える範囲内で飛行させる必要があります。
双眼鏡やカメラ、デバイス機器ではなく、自身の目で飛行中のドローンを確認できなければなりません。
また、一人称ゴーグルの使用など直接目視が困難な場合は、ドローンを視界に収める視覚観測者を隣に立たせることで飛行可能になります。
④有人機の邪魔になる飛行
ドローンは、有人航空機の邪魔になる飛行は禁止されています。
レクリエーション目的の高度では中々ないケースですが、人が操縦する飛行機やヘリコプターなどを回避しなければなりません。
有人航空機を妨害したと判断されると、ドローン操作者の責任になるため気を付けましょう。
⑤天候不良や障害物が多い中での飛行
天候不良や障害物が多いドローン飛行は推奨されていません。
ドローンは、風が強かったり視界が悪かったりすると制御が難しくなります。また、氷点下になるとドローンに氷が形成され、予想外の動きをするリスクもあります。
さらに、木や電線などの障害物が多い場所での飛行は事故が発生しやすいため避けた方が賢明です。
上記は禁止事項ではありませんが、安全性の観点から注意したいポイントです。
⑥空港周辺で空域許可を取得せずに飛行
空港周辺の管制空域でドローン飛行を行う場合は、FAAによる空域許可を取得します。
空域許可の取得方法は、FAA認定の LAANCシステムを利用する方法が便利です。
LAANCとは、FAAと業界が協力して開発した低高度許可および通知機能であり、LAANC機能を搭載したアプリを使うことでスムーズに取得できます。
おもなアプリは「Aloft(旧 Kittyhawk)」「Airhub® Portal」「Astra UTM LAANC」などがあります。
Aloft(旧 Kittyhawk) | App Store : https://apps.apple.com/jp/app/aloft-air-control/id1472965046 https://play.google.com/store/apps/details?id=ai.aloft.aircontrol |
Airhub® Portal | App Store : https://apps.apple.com/us/app/airhub-portal/id6447011672 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.airspacelink.portal_wrapper |
Astra UTM LAANC | App Store : https://apps.apple.com/us/app/astra-utm-laanc/id6444202616 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.astrautm.laanc&hl=ja |
アプリのダウンロードに抵抗がある方は、FAAの公式ウェブサイト経由で取得するといいでしょう。
参考:https://www.faa.gov/uas/getting_started/laanc#approved
⑦違法なドローン飛行は罰金
アメリカではドローン規制に違反した場合、重度の罰金刑を科しています。
過去の事例を見てみましょう。
例 1)2021年9月22日、フロリダ州ウェズリーチャペルで、不適切に登録され無灯のドローンを飛ばして法執行活動を妨害した人物に3万2700ドルの罰金が科せられた。 例 2)2022年1月15日、オハイオ州シンシナティのポール・ブラウン・スタジアム内で一人称視点で未登録のドローンを操縦した人物に対して7,760ドルの罰金が科せられた。 |
とくに、例 1のケースは捜査中のヘリコプターを邪魔したため、日本円で約500万円の重い罰金が科せられています。
日本の場合、航空法に違反すると最高100万円の罰金刑ですが、アメリカは日本の比ではありません。
参考:https://drone-nippon.jp/bassoku/
まとめ:アメリカの法律を理解してドローンを飛ばそう
この記事では、アメリカにおけるレクリエーション目的のドローン飛行に関する手続きと禁止事項について解説しました。
ドローンは以前よりも身近な存在となり、誰にでも楽しめる娯楽として認知されていますが、国を問わず遵守すべきルールを逸脱すると罰せられます。
アメリカでドローンを飛ばす際は、FAAのルールに則ったドローン飛行を行いましょう。
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