オーストラリアで見られる雄大な大自然を、ドローンを使って空撮したい方は多いでしょう。
この記事では、オーストラリアのドローン制度や禁止されているドローン飛行に加え、具体的な罰金や注意点を解説します。
これから、オーストラリアでドローン飛行を考えている方は、是非、最後まで読んでみてください。
目次
1. オーストラリアのドローン制度
2. 禁止されているレクリエーション目的のドローン飛行
3. オーストラリアの罰金
4. オーストラリアでドローン飛行を行う際の注意点
まとめ:オーストラリアは外国人でもドローン飛行しやすい
1. オーストラリアのドローン制度
オーストラリアにおけるドローン飛行は「オーストラリア民間航空安全庁(Civil Aviation Safety Authority:CASA)による民間航空安全規則に基づいて運用されています。
CASAの規則によると、レクリエーション目的のドローン飛行であれば登録や事前申請、年齢制限やライセンスなどが必要ありません。
しかし、罰則は日本よりも厳しいため、しっかりと予習してから行いましょう。
https://www.casa.gov.au/drones/drone-rules/drone-safety-rules#Theregulations
2. 禁止されているレクリエーション目的のドローン飛行
オーストラリアで禁止されているレクリエーション飛行は以下の通りです。
①地上120m以上の飛行
オーストラリアでは地上120m(400ft)以上の飛行は禁じられています。
この高さは、35階建てのビルに相当します。
②他の人から30m以内の飛行または上空飛行
オーストラリアでドローンを飛ばす際、他人との距離を30m以上保たなければなりません。
また、他人の頭上を飛ばすことも禁止されているため、注意が必要です。
③同時複数機の飛行
1度の飛行で、2機以上を同時に操作してはいけません。
複数のドローンを飛ばす場合でも1機ずつ操作しましょう。
④夜間や視界不良時の飛行
オーストラリアでは直視しにくい夜間や、濃霧や煙の中でのドローン飛行が禁止されています。
地域や季節によって天候が異なるため、事前に確認しておくといいでしょう。
⑤人口密集地域の飛行
ドローンは、人々の生命や財産に危険を及ぼすリスクがあるため、人工密集地域での飛行は違反の対象となります。
CASAが定義している人口密集地域は以下の通りです。
・住宅地
・公園
・ビーチ
・道路
・車
・歩道
・市街地
・祭り
・スポーツイベント
・結婚式
また、シドニー・ハーバーのような象徴的な建物や観光地も飛行禁止区域となっています。
⑥他の航空機や人、財産に危険を及ぼす飛行
オーストラリアでは、有人航空機(観光地ではヘリコプターが多い)が優先されるため、気付いた時点でドローンを着地させる必要があります。
また、人に何らかの危険または恐怖を与える飛行も禁止です。
近年、カメラ性能の発達によりプライバシーを侵害するケースが増えています。
故意でなくとも罰せられる可能性があるため、飛行の際は十分に配慮しましょう。
⑦直接目視できない飛行
ゴーグルやスクリーンを利用した屋外でのドローン飛行はできません。
1人称視点の飛行は屋内であれば可能ですが、屋外での飛行はCASAの認可が必要です。
直接視界に収めることを忘れずに楽しみましょう。
⑧緊急事態エリアでの飛行
救助や捜索、消火などの緊急活動中の付近では、遂行中のチームの邪魔になるだけでなく、安全面の危険が生じるため、ドローン飛行が禁止されています。
CASAが定義する緊急時は以下の通りです。
・山火事、洪水、雷雨、ハリケーンなどの自然災害
・交通事故、救助活動などの緊急活動
たとえば、興味本位で火災現場を空撮した場合、法律により他の救助機が飛行できなくなるため人命に関わります。
節度を持ってドローン飛行を心がけましょう。
⑨管制塔がある空港付近の飛行
操作するドローンの重量が250gを超える場合は、空港から5.5kmの飛行は禁止されています。
250g以下のドローンは5.5km以内、高度45mまで飛行可能ですが、他の航空機の妨げになったり、滑走路に進入したりすることは厳禁です。
なお、管制塔がない小さな空港では重量問わず5.5km以内のドローン飛行が可能です。
⑩ヘリコプター着陸地点の1.4km以内でヘリが離着陸している最中の飛行
ヘリコプターの着陸地点から1.4km以内での飛行は、ヘリコプターの離着陸に注意しなければなりません。
ドローン操縦中にヘリの離着陸に気づいた場合は、安全な場所に移動し着陸させる必要があります。
⑪土地や建物の撮影許可を得ていない飛行
ドローン飛行を行う場合、必ず撮影許可を得てから行いましょう。
地球上に存在するほとんどの土地は、誰かが所有または管理しているため、無断で飛行させるとペナルティが科せられます。
飛行計画を立てる際に、所有者か管理者を調べるクセをつけておきましょう。
⑫商用目的の飛行
オーストラリアでは、CASAの要件を満たしていない商用目的のドローン飛行は罰則の対象になります。
身近な例を挙げると、広告収入を得る目的でYoutubeやブログへのアップロードなどです。
商用目的でドローン飛行を行う手続きは、CASAの公式ページから以下の手順で行います。
1. CASAでアカウントを作成し、mycasaにログインする
2. 航空識別番号(ARN)を申請する
3. 自身の個人情報を入力する
4. 身分証明書を提出する
5. ドローンを登録する
6. 支払情報を入力する
なお、商用目的のドローン飛行は16歳以上が条件です。
https://www.casa.gov.au/knowyourdrone/drone-rules
https://australia-life-travel.com/tips/drone
https://sekido-rc.com/blog/2019/11/29/control_0005/?srsltid=AfmBOorVUXT7FeHG9DhWk7Iexndh3vw4QXujn6dqjFi1l0GVIZYQK2Cf
3. オーストラリアのドローン規則違反による罰金
オーストラリアの罰金は、日本よりも重く設定されています。
違反したドローン飛行をすると1件につき最高1,650ドル(約25万円)、訴訟に発展すると最高16,500ドル(約250万円)の罰金が科されます。
本人に違反の自覚がない場合でも懲罰を食らうため、細心の注意を払いつつドローン飛行を楽しみましょう。
https://www.casa.gov.au/drones/drone-rules/enforcement-and-penalties#Penalties
4. オーストラリアでドローン飛行を行う際の注意点
オーストラリアでは、日本国内と異なる航空法であるため、いくつかの点に注意しなければなりません。
①州や都市によってルールが追加される
オーストラリアでは、CASAのルールに加え、各地域の規則に従う必要があります。
以下は、ブリスベンでのドローン飛行に関する規則の1例です。
・商用目的のドローン飛行は不可
・平日は午前7時から、土日祝は午前9時から飛行可能
・飛行可能なドローンは重量1kg以下で固定翼機のみ…etc.
ドローン飛行を行う場合、事前にどのようなルールがあるか調べておきましょう。
②バッテリーの持ち込みは航空会社に問い合わせる
大半のドローンはリチウム電池を使用しており、多くの航空会社はバッテリー持ち込みに関して以下の制限を設けています。
Wh数 | 機内持込手荷物 | 航空会社による許可 | 個数制限 |
100Wh未満 | 〇 | 不要 | 制限なし |
100Wh~160Wh以下 | 〇 | 必要 | 2個 |
161Wh以上 | × | - | - |
※カンタス航空のリチウム電池持ち込みの規則より抜粋
また、機内に持ち込む際は以下の条件が必須です。
・リチウム金属含有量が2g以下
・電池の端子部分をテープなどで保護する
ドローンを機内に持ち込む際は、必ず航空会社に確認を取りましょう。
③ドローン保険は加入しておく
オーストラリアにおいて、ドローンの保険加入は任意ですが、国によっては保険加入がドローン飛行の条件となる場合があります。
海外での予期しない事故やトラブルは多大な損害賠償を生じさせるため、ドローン保険に加入することをおすすめします。
・DJI公認ドローン保険
・東京海上日動 ドローン保険
どちらも海外での事故による機体保険、賠償責任保険に対応しています。
https://australia-life-travel.com/tips/drone
https://sekido-rc.com/blog/2019/11/29/control_0005/?srsltid=AfmBOorVUXT7FeHG9DhWk7Iexndh3vw4QXujn6dqjFi1l0GVIZYQK2Cf
まとめ:オーストラリアは外国人でもドローン飛行しやすい
オーストラリアは、外国人でも無資格でドローン飛行が可能です。
しかし、違反した際のペナルティは日本よりも重く、せっかくの楽しい旅が台無しになってしまいます。
素敵な思い出にするためにも、飛行する地域のルールを遵守して安全なドローン飛行を心がけましょう。
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