近年の発展が目覚ましいドローンは様々な分野で活用されています。
代表的な分野は建設、測量、救助活動などがあげられますが、今回はドローンを使った健康診断についてご紹介させて頂きます。
目次
1. ドローン技術の進化と医療分野への応用
2. 健康診断におけるドローンの役割
3. 健康診断に特化したドローンの特徴
4. ドローンを健康診断に使った応用例
5. 世界での実証実験とその成果
6. 課題と解決策
まとめ
1.ドローン技術の進化と医療分野への応用
1-1.ドローン技術の進化
ドローンは軍事利用から開発が始まりました。
1980年には電子部品の小型化と高性能化が進み、ドローン技術は大きく飛躍しましたが、2000年以降になると農業や物流、さらには災害救助など多岐にわたる分野での利用がされます。
最近では、自動操縦機能がつき、自律飛行が可能になり、より広範囲な利用がこれでできるようになりました。
1-2.ドローンの医療分野への応用
医療分野への応用には6つが挙げられます。
①医療品や医療物資の配送
遠隔地や交通の便が悪い場所に医療品や医療物資を迅速に届けることができます。
例えば、ルワンダではドローンにより血液やワクチンを配送するプロジェクトが始まっていて、既に成功しています。
②緊急医療対応
緊急時にARDや救急医療キットを現場に迅速に届けることができます。
迅速な診断と治療が可能になります。
③検体の輸送
ドローンは検体を迅速に輸送する手段としても利用されています。
交通事情などに左右されず、検査結果の待ち時間が短縮されるので、早い診断や治療に効果を発揮します。
④遠隔医療のサポート
交通の便が悪い遠隔地にドローンは医療品を届けることができます。
それだけではなく、オンライン診断などと組み合わせることで医師が遠隔地の患者を診察し、必要な医薬品をドローンで配送するシステムも作られています。
⑤臓器の輸送
ドローンは医療品・検体の輸送だけでなく、臓器の輸送にも利用可能です。
⑥災害時の医療支援
災害時に道路が遮断されている地域に、ドローンを使って被災地に医療物資を届けることができます。
一刻を争う被災地には迅速な支援が必要ですが、ドローンはそれを実現でき、従来の方法よりも多くの命を救うことが可能です。
2. 健康診断におけるドローンの役割
先にも述べたようにドローンは遠隔地に医療品・医療物資だけでなく、医療キットや臓器・輸血なども輸送できます。
これは遠隔地でも迅速に診断することができるのでドローンの利点の1つです。
3. 健康診断に特化したドローンの特徴
健康診断に特化したドローンの特徴は4つあります。
①赤外線カメラ
体温や炎症の検出に用いられ、早期に健康異常を発見することに役立ちます。
②像度カメラ
皮膚の状態や外傷の詳細な画像撮影ができます。
③自律飛行機能
特定のルートを自動で走行が可能で、広範囲の健康診断を効率的に行えます。
④リアルタイムデータ送信
診断の結果を即座に医療の専門家に送信し、迅速な対応が可能となります。
ドローンは遠隔地やアクセスの悪い地域での健康診断をサポートし、医療提供の効率化に貢献しています。
4. ドローンを健康診断に使った応用例
●あきる野市の場合
KDDIでは、ドローンを使った医療物資の輸送の実証実験を行っています。
ドローンが公立阿伎留医療センターとSRLセントラルラボラトリー間を飛行し、自律飛行で医療物資を輸送しています。
参考:ドローン物流による医療物資輸送の社会実装に向け、「レベル4飛行」を見据えた長期運用の実証を都内で展開 KDDI Business
https://biz.kddi.com/beconnected/feature/2023/230426
●日本ドローン防犯防災支援ネットワークの活動
遠隔地や災害地域での医療支援にドローンが活用されています。
具体的にはワクチンや命を救うための医療品を迅速に輸送したり、特定の医療機器の配送やリアルタイムのデータ情報にも使われていたりします。
5. 世界での実証実験とその成果
アフリカのルワンダで、ドローンを使って血液や医薬品を遠隔地の医療施設に届けるプロジェクトが現在、進行しています。
医療アクセスが限られている地域での命を救う手段として高い評価を受け、期待されています。
参考:ルワンダの遠隔地に重要な医療物資を確実に届けるドローン設計に、NXを活用
https://resources.sw.siemens.com/ja-JP/case-study-zipline-nx
6.課題と解決策
6-1. 技術的課題
こうしてみるとドローンはかなり便利な技術に感じますが、懸念されるのは技術的課題がまだまだ多くあることです。
急速に進化しているドローンの技術自体がまだまだ発展途上にあるためです。
特に打診や目視による詳細な点検はまだ難しいケースがあり、ドローンでも撮影できない場所や暗い場所、ドローンでもアクセスできない場所にはこれまでの方法に頼らざるを得ません。
6-2.法規制と安全性
ドローンに関する法規制はいくつかありますが、それはドローンの飛行に関する規制と操縦者に関する規制に分けられます。
ドローンに関して言えば、飛行する場所の制限や飛行方法などです。
また、ドローン資格は2022年から国家資格となっており、ドローンを操縦するためにはこの国家資格を取得することが大前提となります。
その上で2022年から総重量が100gを超えるドローンに関しては国土交通省に登録することが義務付けられました。
6-3.プライバシーとデータ保護
ドローンが撮影した映像やデータは、個人のプライバシーに関わる情報が多分に含まれています。
例えば、個人の住所や生活の様子が意図せずに映り込む可能性があり、ドローンが人々を無断で撮影すると、肖像権侵害になる可能性があります。
特に、個人が特定できるような映像が、誤って公開されてしまうと法的な大問題に発展することがあります。
さらには収集されたデータが適切に管理されなければ、データの漏洩や不正アクセスなどのリスクを伴います。
このリスクを回避する方法として、データの匿名化や撮影時に対象者に同意を得るなどが考えられます。
まとめ
まだまだドローンを健康診断に利用することにはいくつかの課題も残っていますが、今後、改善されて活躍の幅が広がることは確信できます。
これまでの方法よりコストが抑えられ、効率的に医療サービスが提供可能となり、さまざまな業務が迅速に対応できるようになります。
アクセスの悪い場所でも医療機器やサンプルの運搬や広範囲でのデータ収集にてモニタリングや診断に役立てることができます。
ドローン分野はまだまだ発展途上にありますが、すぐに我々の日常生活に組み込まれ、身近な存在となると予想されます。
ドローンの国家資格を国民一人一人が持っていても不思議ではない未来が迫ってきているのかもしれません。
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