今やテレビなどでも多くのドローン映像が活用されるようになりましたが、その中でも災害救助でのドローンの活躍が注目されています。上空から見る映像はもちろん、最新機器を搭載したマッピング、運搬能力などドローンが使用される場面はより多くなっています。
今回はドローンでの災害救助について解説していきます。
目次
1. 被害状況の確認
2. 被災者の発見
3. 情報収集とマッピング
4. 救援物資の運搬
5. 通信インフラの確保
6. ドローンを災害救助に利用した事例
まとめ
1. 被害状況の確認
ドローンは災害救助においてとても有効なツールです。特に被害状況を確認する方法として、迅速性と効率性が一番です。
ドローンは空中から目的地に最短距離で到達でき、広範囲の被害状況を高解像度カメラやセンサーを用いることで把握することができます。これにより地上からでは確認できない被害を確認でき、救助活動や復旧作業の計画立案に貢献します。
さらに、ドローンは被災地の詳細なデータを収集し、被害の全貌を把握するのに重要な役割を果たします。収集した情報をもとに、復旧活動の優先順位や具体的な手順を示すことができます。迅速な情報収集と分析によって、救助活動の効率化と被災者の安全確保が容易になります。
ドローンの活用は、救助者のリスクを最小限にすることにもつながります。従来の方法では救助者が危険な場所に立ち入る必要がありました。ドローンを使えば、そのリスクを大幅に減らすことができます。
ドローンは上空からの俯瞰的な視点から最新の機器を活用することにより、非常に重要な役割を果たしているのです。
2. 被災者の発見
ドローンは災害救助において、効果的に被災者を発見するためにとても必要なツールとなっています。
ドローンは他の航空機と比べて、飛行高度が低いので狭い場所でも飛行でき、被災者の発見にとても有利です。ドローンに搭載された光学カメラは、高解像度の映像を提供し、広範囲を散策することで、瓦礫の中や建物の影でも目視しづらい場所でも被災者を発見することが出来ます。
また、赤外線カメラを搭載することで、夜間や煙が立ち上る中でも、被災者の体温を検知して位置を特定することができます。ドローンは小回りが効くため、様々な環境で対応が可能です。瓦礫の下や視界の悪い場所でも人の存在を検知することができ、逃げ遅れた被災者の発見や救助を行えます。
さらに、ドローンは携帯電話の電波を利用して被災者の位置を特定することも可能です。被災者が携帯電話を持っていれば、その信号を検知して位置を割り出します。
ドローンを災害救助に利用するメリットは迅速な展開と操作が簡単なことです。ヘリコプターや地上部隊と比べると、ドローンは準備期間が短く、すぐに現場に投入できます。また、操縦も比較的簡単なので、専門的な訓練を受けたオペレーターがいれば、すぐに操作ができます。
こんな便利なドローンですが、課題もあります。例えば、悪天候や電波障害が発生すると、ドローンの飛行や通信に支障がでる場合があります。また、バッテリー持続時間は限りがあるので、長時間の探索には複数のドローンや予備のバッテリーが必要になります。
今後、このような課題を解決することでドローンはますます災害現場で活躍することが予想されます。
3.情報収集とマッピング
ドローンを災害救助に利用することは、情報収集やマッピングにおいてとても重要です。災害発生直後、ドローンは状況を把握するために飛行させて、広範囲に空撮映像を提供します。これらのデータを利用して救助隊は被害の全体像を把握でき、効率的な救助計画を立てることが可能です。
ドローンに搭載された高解像度カメラや各種センサーは、3次元マッピング技術により、被災地の詳細な地形データを作り上げ、建物の損壊状況や地形の変化を正確に把握できます。
災害救助におけるマッピングとは、災害が発生した地域の状況を地図上に可視化することで、ドローンでのマッピングは従来の方法に比べて、精度が上がり救助活動にとても有効です。危険な地域やアクセスが難しい場所など、ドローンを使って安全に情報を集めることができます。
4. 救援物資の運搬
ドローンの利用は救援物資を運搬する上でとても有益です。
地震や洪水などの自然災害が発生した場合、道路が寸断されたり、被災地へのアクセスが困難になることが多々ありますが、このような状況下でもドローンは効率的に物資を届けることができます。
ドローンを利用する最大のメリットが、その機動性と迅速性にあります。有人の航空機やヘリコプターと比べて、小型で軽量なので狭い場所でも離着陸できます。また、道路の損壊や渋滞の影響を受けないので、上空から被災地に食料や医薬品、水などの救援物資を運ぶことが可能です。
5. 通信インフラの確保
①無線中継システム
ドローンに無線LAN機器を搭載して、被災地上空を飛行させることで、地上局と連携して通信サービスを提供でき、被災地の通信インフラを確保します。
②リアルタイムのデータ転送
最新のドローンは強化された通信システムを搭載していて、リアルタイムでのデータ転送や遠隔操作が行えます。
6.ドローンを災害救助に利用した事例
近年、日本はさまざまな災害に見舞われていますが、その現場ではすでにドローンが使われています。
①2016年4月14日 熊本地震
国土地理院が地震発生直後に決壊した阿蘇大橋周辺をドローンで撮影した映像が話題になりましたました。道路や建物の倒壊状況を確認し、避難指示や救助活動に活躍することになりました。
YouTube:国土地理院動画チャンネル【国土地理院】 阿蘇大橋周辺の土砂崩れ箇所
②2019年10月12日 台風19号
台風19号の被災地の東京都奥多摩の集落では、道路が遮断されて孤立しましたドローンによる復旧物資の運搬に使われました。これを教訓にして2020年9月KDDIは東京都から「ドローンを活用した物資搬送のための調査・検証事業」を受託し、2020年11月KDDIのモバイル通信による目視外自律飛行を実現するスマートドローン運行管理システムなどを活用し、災害発生時における孤立地域へのドローン緊急物資搬送の実証実験 (以下 本実証実験) を奥多摩町峰谷地区で実施しました。
記事・画像:KDDI ~奥多摩などでの実証実験で飛行ルート確立を目指し、災害時の迅速なドローン活用を支援~
③2021年7月3日 熱海市土石流災害
静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流災害を受け、テラ・ラボは、災害発生直後から現地入りし、ドローンやヘリ、衛星を使用した被災現場上空周辺の撮影を実施しました。これまでの航空測量技術を活かし、撮影した動画、写真データをオルソ画像(真上から見た全体写真)へと解析後、同地 区の地図(被災前)と重ね合わせるなどして、災害発生から2日後には、精密な共通状況図のベースマップを一般公開しました。これらのデータは災害対策本部にも無償提供され、救助活動やその後の復興に大いに役立てられました。
記事・画像:株式会社テラ・ラボ 【2021.7.3.熱海土砂災害_第一報】ドローン空撮「共通状況図(ベースマップ)」を作成、災害対策本部へ提供
まとめ
このように現在の災害救助にはドローンはなくてはならない存在になっています。日本だけでなく、全世界でドローンは災害救助に使われるようになるでしょう。
ドローンがどんどん身近な技術になり、操縦技術や知識を身に着けることは次世代では必須項目になることもあるかもしれませんね。
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