【知る得ドローン】メキシコのドローン制度を解説!手続きや禁止ルールも併せて紹介

知る得ドローン
メキシコ

メキシコでは、AFAC(メキシコ連邦民間航空局)がドローン制度を管理、運用しています。

メキシコは近年、農業やエネルギーなどさまざまな分野でドローン需要が拡大しており、これからもその傾向が続くと見られています。

また、数々の遺跡や古代文明の名残を垣間見ることができ、ドローン空撮の観光地としても人気がある国です。

この記事では、メキシコ国内におけるレクリエーション目的のドローン飛行を解説します。

目次

1. メキシコのドローン制度

2. メキシコにおける飛行ルールの原則

3. メキシコのレクリエーション飛行におけるカテゴリ別要件

①Microの要件

②Pequeñoの要件

③Grandeの要件

4. メキシコにおけるドローンと操縦者の登録方法

①ドローン登録に必要な情報

②操縦者登録に必要な情報

5. 外国人はメキシコでドローン飛行できるのか?

6. メキシコの違反ドローンの罰則について

まとめ

1. メキシコのドローン制度

メキシコでは、以下の3つにカテゴライズされています。

重さによってカテゴリが異なり、軽い方から「Micro(ミクロ)」「Pequeño(ペケーニョ)」「Grande(グランデ)」となります。

カテゴリによって飛行条件や要件が違い、またレクリエーション目的か商用目的かでも適用される法令が異なります。

カテゴリー

2. メキシコにおける飛行ルールの原則

メキシコ ピラミッド

メキシコでドローン飛行を行う際のルールは以下の通りです。

3. メキシコのレクリエーション飛行におけるカテゴリ別要件

ドローン 夕日

メキシコでは「Micro」「pequeño」「Grande」の3つのカテゴリがあります。

ここでは、レクリエーション飛行における各カテゴリの要件を解説します。

なお、各カテゴリの要件は原則に追加されたものを記載しています。

①Microの要件

Microの要件は以下の通りです。

・最大重量2kgまでのドローンが対象
・メーカーが定めた最大速度以内
・人の頭上飛行禁止(250g以下は頭上OK)
・他人から水平距離で10m(32ft)以上離す
・ドローン登録証のコピーを携行

最大重量250g以下のドローンは航空局への登録が不要で、トレーニングや試験も必要ありません。

②Pequeñoの要件

Pequeñoは「小さい」や「幼い」という意味のスペイン語です。Microよりも要件が多くなっています。

最低年齢・18歳以上
該当スペック・最大重量2~25kg未満



追加ルール
・航空局認可のエアロモデリングクラブ内が定めた空域のみ飛行可能
・制御ステーションから最低1.5km(0.8MN)の視程(肉眼でドローンが明確に視認できる)を確保する
・【他人との水平距離】
-2.1~10kg未満のドローンは最低30m(98ft)以上
-10~25kg未満のドローンは最低50m(164ft)以上
理論試験・航空規制や操作手順、ナビゲーション概要や空気力学、気象学など97時間分の科目から出題



必要書類
・メキシコ人であることの国籍証明書
・DGPMPT(運輸安全予防医学総局)が発行する90日以内の精神物理学適正書(※1)・トレーニング、試験、発行にかかる手数料の支払い証明書
・Pequeñoの試験合格書
・航空局認可トレーニングセンターの修了書(※2)
・2ヶ月以内に行った最低13時間の飛行記録(※3)
ライセンスの有効期間3年

※1:感覚の鋭さや感じ方を計るテスト
※2:申請から2ヶ月以内のもの
※3:2ヶ月以内に実施したもの

最低13時間の飛行記録の内訳は以下の通りです。
-教官立ち合いの下での7時間の二重教習飛行
-航空局認可トレーニングセンターにおける5時間の飛行記録
-認可トレーニングセンターにおける1時間の試験飛行

③Grandeの要件

最低年齢・18歳以上
該当スペック・最大重量25kg以上



追加ルール
・航空局認可のエアロモデリングクラブ内が定めた空域のみ飛行可能
・制御ステーションから最低1.5km(0.8MN)の視程(肉眼でドローンが明確に視認できる)を確保する
・【他人との水平距離】
-10~25kg未満のドローンは最低50m(164ft)以上
Apéndice”D”に準拠する必要がある
理論試験・Pequeñoよりも専門的な科目を約340時間分履修する



必要書類
・メキシコ人であることの国籍証明書
・DGPMPT(運輸安全予防医学総局)が発行する90日以内の精神物理学適正書(※1)・トレーニング、試験、発行にかかる手数料の支払い証明書
・Grandeの試験合格書
・航空局認可トレーニングセンターの修了書(※2)
・Grandeカテゴリドローンによる最低50時間の飛行記録
ライセンスの有効期間3年

※1:感覚の鋭さや感じ方を計るテスト
※2:申請から2ヶ月以内のもの

最低50時間の飛行記録の内訳は以下の通りです。

-教官立ち合いの下、21時間の二重教習飛行
-航空局認可トレーニングセンターによって認められた15時間の単独飛行
-認可トレーニングセンターにおける1時間の試験飛行

4. メキシコにおけるドローンと操縦者の登録方法

登録

ドローンの重量が250gを超える場合、ドローンと操縦者の登録が必要です。

AFACのWebサイトに指定の書面(Apéndice”K”)を提出します。

①ドローン登録に必要な情報

ドローン登録には、以下の情報が求められます。

・メーカー
・モデル
・シリアル番号
・製造年
・用途
・請求書番号
・最大離陸重量(kg)
・購入日
・購入額

②操縦者登録に必要な情報

操縦者は、以下の情報が求められます。

・氏名(父方・母方の性をそれぞれ入力)
・国籍
・生年月日
・住所、電話番号(固定・携帯)
・メールアドレス

上記を入力後、書面最下部にある「個人データの保護と配布に関する同意、承諾、利用規約の通知」にサインして完了です。

5. 外国人はメキシコでドローン飛行できるのか?

ドローン 空

メキシコ政府は、外国人のドローン飛行に関して以下のように記しています。

4.10.16. No podrán operar en México un RPAS con matrícula o registro extranjero u operados por operadores de RPAS extranjeros, diferentes a los mencionados en el numeral 4.10.15 de la presente Norma Oficial Mexicana, a menos de que exista un acuerdo bilateral entre la Autoridad Aeronáutica y la Autoridad de Aviación Civil del estado de registro/matrícula.
引用:SECRETARIA DE COMUNICACIONES Y TRANSPORTES

これを翻訳したところ、以下のように解釈できます。

「外国で登録されたドローンは、登録国とメキシコ航空局の協定がなければ運航できない」

また、Pequeñoにおけるライセンス取得要件の項目には、以下の記述があります。

C.2.1 La Autoridad Aeronáutica también podrá convalidar los certificados o documentación equivalente expedidos por centros de capacitación aeronáuticos extranjeros, siempre y cuando dichos centros estén autorizados por la Autoridad Aeronáutica del país que se trate y ese país cuente con un convenio de colaboración con esta Autoridad Aeronáutica
引用:SECRETARIA DE COMUNICACIONES Y TRANSPORTES

「メキシコ航空局が認可している外国のトレーニングセンターでライセンス認定されている場合、その証明書は検証の対象になる」

日本とメキシコは2004年9月にAAEMJ(経済連携強化に関する協定)を締結していますが、ドローンに関する協定文書は見つかりませんでした。

また、インターネットでは現地在住の日本人の方たちによる意見が見つかりました。

・250g以下なら外国人でも飛行可能
・自治体によってルールが異なる
・メキシコのお国柄で、合法でも罰金として金銭を要求される
・関税が16%かかる
・飛行空域内なら問題なし


外国人によるドローン飛行は意見が分かれており、公的文書でも明確な表現がありません。

加えて、海外のドローンプラットフォームでも、それぞれ見解が異なっています。

そのため、ドローン飛行をする際は、自治体に事前確認することが最適解と言えるでしょう。

6. メキシコの違反ドローンの罰則について

罰則

まとめ

メキシコ 国旗

メキシコは、自国民に対するドローン制度は整っていますが、外国人のドローン制度には曖昧な部分があります。

日本とは違い、状況によっては現地警察の裁量で判断されるケースがあるため注意が必要です。

メキシコでドローン飛行を行う場合、現地の最新情報を仕入れることに加え、事前確認を徹底するといいでしょう。

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